3)「リファイン」「リメイク」…どこに出せばいいでしょうか

「どこに出そうか」についてご一緒に考えてみましょう。

 

   * クリーニング店に出す

洗ってシミを抜く、を一般の方が真っ先にイメージするのはおそらくここになるでしょう。よくお店の前に「和服の生洗い承ります」などという立派な看板が出ていたりもします。ですが、残念なことに和服を出す場合…一般論としてですが無難な選択ではないと思います。その最大の理由は「和服に関しての知識が不十分で扱い慣れていない」という一点に尽きます。やはり扱い方には“決まりごと”に沿ったものでなければなりませんし、それなりの技術というものがあるのです。


例えば、お着物袖口や裾の部分というのはふんわりしているのが本来の姿です(昔は綿を入れたりしました)。全体はピシっとシワが伸びていても、そこだけは平らにつぶさないのが和服なのです。ところが、ここが往々にして仕上げのアイロンがけであたかもワイシャツのごとくペッタンコにされていたりします。こうなると仕立て直す以外にやりようがなくなり、下手をすれば“数万円コース”に…。残念ながら、こういうケースが少なくありません。


また、絹という素材は摩擦に弱く、少しこすっただけでもささくれて毛羽立ってしまいます。その際は綿のようになり白っぽく見えるのですが、これは地色が落ちたわけではないのです。「前にシミ抜きに出したのですが、直りませんか」とご相談を受けることがよくあります。シミのあった所に「これ以上やると生地を傷めます」などという紙がついていたりもします。もう十分に傷んでいる!と思っても後の祭り…残念ながら完全に直すことはできません(相当に目立たなくすることはできます)。


さらに不幸なことなのですが、こういう不始末は何年も経ってから発覚する傾向があります。“その道のプロ”に任せた安心感からか、「こんなものか」で一旦は納得されてタンスにしまってしまうようになりがちなのでしょうが、お着物についてよくご存知の方や弊店の指摘があって初めてお気づきになった・・・こういう例がたいへん多いのです。つまり場合によっては・・・もう手遅れということも・・・。

 

後でクレームをつけたら良心的に対応してくれた・・・こういう話は聞いたことはありません。料金の面でも決してお安くはありません(一般的には洗いだけで1万円弱、シミを落とすとその二倍ぐらいでしょうか)、。高いお金を払った上に仕上げが悪く、シミは落ちずに生地を痛められてしまっては踏んだり蹴ったりです。初めからベストの方法を選択すべきだと思います。

 

 

*買った店、または近所の店に出す 
  
次に思いつくパターンだと思います。買ったお店が近所にあれば一番いいとも思えます。売っただけでアフターサービスはしない…それでは今後の営業に影響してしまいます。ですが、その店が積極的に対応してくれそうにない場合はやめておいた方が賢明です。


展示会・催事販売、無店舗や訪問販売…えてしてこういう類の業者は単価の低いサービスには積極的ではありません。また、「他店で売った品や直し物は歓迎しない」という風潮がこの業界にはあります。確かに場合によってはよその業者のミス処理のお鉢が回る場合もあるのですが、それよりもむしろプライドの問題…すなわち他店の尻拭いなどはやりたくないという古い体質の考えなのです。こういう場合などはお客様の立場に立つような対応は期待できません。


また、失礼ながら…年配の人たちだけでやっているような店もあまりお勧めできません。色合わせのセンスや寸法に関しての考え方が時代遅れになっている事例が少なからずあります。裏地を替えて仕立て直したのにもかかわらず、今ひとつ見ばえがしない…実はこういう事も多いのです。


せっかくリファイン・リメイクにお金をかけるなら、“良い仕上がり”でなければなりません。

もっとも、倒産や廃業、閉店などの場合(最近は多いです)などはそもそもが頼みようがないのですが・・。


  
*いわゆる有名店(テナント型のチェーン店)に出す

 
ブランド的な部分での安心感はあると思います。普通に考えれば無難な選択と言えるかもしれません。ですが…若い社員さんもパートさんも経験に乏しく、「その場に詳しい人がいない」ということが大きなネックになります。


細かなことには触れず、マニュアル通り「まずはお預かりします」ということになるようです。その後の担当者の対応や判断もマニュアルに忠実です。そのためか「必要な処置」の範囲が大きくなりがちで、思ったよりも費用がかさむケースが多いようです。加えて加工代そのものも相当に高めで「これなら新品が買えちゃうわ」というお話も聞き及びます。


弊店でのお客様のご意向の多くは「そこそこの予算で何とかしたい」というものです。漫然と“フルコース”にするのではなく、“必要最小限の処置”“必要にして十分な処置”も選択肢に入れるべきだと思います。費用面と満足度の両立…このテーマにできる限り沿うようにするのがプロの仕事というものです。そのためにも「経験が物を言う」となるのです。


また当然ではあるのですが、営業方針として「とにかく売り上げを増やせ」という事があるでしょう。直しや手入れだけを頼みたくてお店に出向いたのに、それを好機到来とばかりに「新しい商品を買え」と攻め立てられてはたまりません。お客さまには「他の店で買ったものの手入れを頼むのは何だか申し訳ない」という心理が働くものですが、聞くところによれば、そこを逆手に取るのも販売テクニックなのだとか。 

 

 

*ネット検索で業者を探す


インターネットの通信販売が盛んになり、今や買えない物が思いつかないような状況です。和服関連でも結構な数の業者のサイトがあり、様々な商品やサービスを提供しているようです。扱い品目も小物から高級品まで多種多様、お手入れやお直しの分野も例外ではありません。

 

店舗を持たず、販売・受注をもっぱらネットのみで扱う業者も少なからず存在します。ここであえて言えば“通販=安い”ということは和服の場合は必ずしも正しくない場合も…。和服業界は中小零細業者の集合体であり、一般小売価格の設定は業者の良心に委ねられているところがあります。これまではそこにつけ込むような一発屋、利益至上主義の悪徳業者が後を絶ちませんでした。極端な話、値段は「どうにでもなる」のです。また、だからこそ信用というものが大切なのです。


綺麗なホームページを持っているからといっても、プロフィール等の真偽には無関係です。万が一の際は・・・ひょっとしたら遠方の店舗のない業者との交渉ごとに関わらねばならないかもしれません。そもそも和服は何十万円もするような贅沢品です。本当にそのような業者で大丈夫でしょうか。仮に宝石なら「どこにあるのかよく分からない」ところに大事なお品を預けたりなさらないのではないでしょうか。

 

この際はぜひ、弊店にお任せくださいませ。  ←←クリックで次のページへ